画ブレ、画面動の付け方について
アニメなどの映像で使われる『画ブレ』『画面動』と呼ばれるものついて説明いたします。
薫。(@kaorusevinfinit)さんの協力もあり、映像をお借りすることが出来ました。今回、その映像を使い説明していきます。使用ソフトは、AfterEffectsを使い説明していますが、そのほかの動画編集ソフトでも同じようなことが出来ます。
なお、正確に誰かに教わったというより、仕事上覚えたことなので若干ズレている可能性もありますので、ご了承ください。
この記事の目次
『画ブレ』とは?
呼び方は色々とありますが、私の知っているところでは『画ブレ』『画面動』が一般的です。今回は『画ブレ』で呼称を統一します。
どんな物なのか?ということですが、実際に見た方が早いと思います。お借りした素材の都合上、『画ブレ』のあるところでは素材の解像度足りなくて、背景の黒みが見えていますが気にしないで!
画ブレ有りの方では、着地や攻撃の際に画面が揺れていたと思います。このように動画を振動させることで、臨場感や迫力を出すことが出来ます。
基本的に、調整のしやすさ、レンダリングのやり直しをする必要が無いので、AfterEffectsなどの動画編集ソフトで『2D』で動かすのが一般的です。アニメだと基本的に『2D』で動かしますが、よりリアルな揺れを表現したい場合は、『3D』上でカメラを揺らすこともあります。その場合は修正した後にレンダリングに時間がかかるため、ラフで出力してチェックするなどの工夫が必要となります。
『画ブレ』付けるためには、大きなサイズで出力
基本的に、最終出力のサイズより大きなサイズで3Dソフトからレンダリングをします。
たとえば、最終的に1280*720の映像にしたい場合は、大体は110%の1408*792でレンダリングします。その1割分が揺れる幅になります。足りない場合は、120%の1536*864などより大きなサイズでレンダリングします。
足りない場合、110%→120%と変更した際に、100%内のレイアウトは変わらないよう、画角を計算して修正します。ちょくちょく変わる場合は、ツール化しておくと良いでしょう。または、大きく揺れるようなカットは、予め120%で出力しておくのも良いでしょう。
MMDでレイアウトを決める場合は、このようなエフェクトがあるのでうまく活用しましょう。
カメラ構図線エフェクト
https://bowlroll.net/file/19514
『画ブレ』のキーの揺れ方、キーの打ち方
キーの揺れ方、打ち方は、演出、見え方、フレームレートなどによって、毎回異なります。これといった正解は無いと思います。
一応、私の経験的なやり方としては、攻撃や着地などで揺れる際は、まずは一方向に動いてから、段々とランダムな動きになりながら、減衰するイメージでいつもキーを付けています。
大きな爆発などは、初めからランダムな動きを付けて、風圧でカメラが揉みくちゃにされているイメージで付けています。その時のカメラがどのように揺れるかイメージを持つことが重要だと思います。現実的にカメラが揺れないとしても。
あと、音が無くても、その揺れ方で音がイメージ出来るように付けています。
動画内からいくつか抜粋して、揺れ方のイメージを例として
AfterEffectsのモーションブラーの設定
ここから、ちょっとAfterEffectsでの設定をいくつか。
AfterEffectsでは移動した際などに、モーションブラーを付ける設定があります。ブラーが入ることで『画ブレ』の印象も変わるので、モーションブラーを付ける際は最初に行いましょう。
AfterEffects揺れの強度の確認
AfterEffectsでは、グラフにて速度を確認することが出来ます。
速度の大きさがそのまま揺れの強さに見えるので、このグラフを見ることで減衰などを調整することが出来ます。
テンプレートAEPの説明
今回使用したAfterEffectsのテンプレートAEPと上記の動画で使ったAEPをこちらにUPいたしました。使用したAfterEffectsのバージョンは、CC2014です。
2D_Shake_sampleAEP.zip
ただ、上記の動画で使ったAEPの方は、使用した動画をそのまま配布するのはマズいので、動画は削除してあります。なので、Compを見てなんとなくこんな感じで動かしているだなー程度で見てください。
テンプレートAEPの方は、
110%で素材を重ねたコンポジション→100%サイズの『画ブレ』を付けるコンポジション
という感じで作っています。これを本来はカット毎に作って、最後にシーケンス状に並べて、カットを繋いでいきます。
直接、コンポジションを画ブレのアニメーションを付けても良いのですが、出来ればテンプレートAEPのようにNULLにアニメーションを付けて親子付けをして動かしましょう。差し替えが楽になったり、さらにNULLの追加、親子付けして、揺れの要素を分けたりすることが出来ます。
あと、見やすくなります。重要です。
最後に
実際に『画ブレ』を付けると結構な手間ではありますが、それに見合うだけの効果はあると思います。特に、アクションカットでは!
以前から、記事にしようとしてましたが、見本となる動画を作ることで出来ないでいました。今回、薫。(@kaorusevinfinit)さんの協力あって、なんとか記事にすることが出来ました。本当は、画ズレの付け方を1からもっと詳しく記事にしても良かったのですが、使用ソフトの違いもありますし、2Dで付けるか3Dで付けるかによってもアプローチの仕方が異なると思います。ただ、こういう表現あるというのだけでも知るだけでどっかで役に立つかも?個人的には、こういう表現が広がってくれたら嬉しいです。
何か質問や突っ込みどころがあれば、下っ腹P(@meshi_dane)かメールまでよろしくお願いします。
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